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テストに苦しめられている間にもう十二月になってしまった。なんということだろうか。あと一月で年が明けてしまう。年明け、すなわち三年生への道がバーストオープンということ。とても恐ろしい。


県展の方は画材の片付けに行ったくらいであれからずっと触れてすらいない。美術の授業の時にこっそり眺めてニヤニヤすることで残り少ない自己肯定感を高めている。 


テスト明けたら残り四日、テスト終わりは金曜日、締め切りは月曜の放課後。今週末も休みなしなんだろうな。休みが欲しい。テストとかないただの全日休暇が真剣に欲しい

人権などない。


ところで、なんとなく映画についての話をしていたら母親がシャイニングの前後編を貸してくれた。ありがたい。

この母親はどういうわけか私と本の趣味が似ているので、わたしに京極夏彦の洗礼をしたのもこの人である。わたしの読書ライフはこの人に支えられている。


母いわく、「ミザリーが一番怖い」。


ミザリーだかナザリーだか、リスニング能力が死んでいるので名前もうまく聞き取れないけど、要約すると人間怖い、狂ったファン怖いという話らしい。斧を持った発狂した父親と好きすぎて逃げられぬよう足をへし折ってくるファン、本当に怖いのは果たしてどっちなのか。


ここにいると、自分がとても無知なのを発見してすこし居心地が悪くなる気がする。知らないことはすぐに調べる、勧められたものはとりあえず見てみるなどして、少しでも見聞を広げていこうと思う。なににおいても知ってて損なことはないから。


少し前の話だけど、北斎を観に行った。

永田誠司コレクションということで、肉筆画やら版画やら何やら北斎に関する諸々が一挙展示というやつ。それが島根県の辺境も辺境、益田市中心街のグラントワにて取り行われていた。ちなみに最終日。


前半は神奈川沖浪裏がメイン、後半は凱風快晴がメイン。もちろん凱風快晴を見た。


あの小さな小さな、A4を半分に切ったような大きさの紙に下絵を墨で描いて、それをチマチマ彫って、色をのせて刷るという行為がどれほど難しいのか想像がつくようなつかないような。ちなみにわたしはA4サイズの多色多版木版画に挑んだ際、これでもかと彫り目をつぶし、これでもかと絵具を載せたせいで、彼岸花のはずがなんだかよくわからない赤い物体にしてしまった。この出来事からも、北斎がいかにすごいのか実感した。


曹操を描いた肉筆画、花魁の美人画、色々あったけど、個人的には墨でざっくり輪郭をとっただけのウサギや虫の絵が好き。あれだけシンプルな構成でなんの動物か伝わるのも、高いデッサン力の賜物なんだろうなと思う。

わたしは線を重ね描きする傾向があり、まわりにそれをなじられることも多々あったのでちょっとした悩みの種でもある。


何が言いたいかっていうと、北斎は絵がうまかった。まとめです。